188

188 ： ◆bsKbvbM/2c ：2006/03/20(月) 16:46:01.95 ID:ePooG7lI0: しばらく食事は和やかなムードで続いたが、しかしこんな状況で、それが続くわけは無かった。

(　ﾟ∀ﾟ)「しかし、これからどうすればいいんだろうな」

そのふいんきryを壊したのは、空腹が一段落したらしいジョルジュだった。

(*‘ω‘ *)「犯人探しでしょ？これは推理劇なんだからさー」

(　＾ω＾)「でも、今回荒巻先生が僕らに望んだのは、実際にこういう場面に遭遇した時の対応だお」

('A`)「実際、こういう場面に遭遇したら、なぁ……」

ドクオがうーんと考え込んだので、他の全員も手と口を休め考える。
もし、本当に、閉鎖された場所で、仲間内で殺人が起きたのなら……

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「……こわがるわ、私なら」

小さな声で、ツンが言った。

189 ： ◆bsKbvbM/2c ：2006/03/20(月) 16:51:12.93 ID:ePooG7lI0: ξﾟ⊿ﾟ)ξ「この中に、人を殺せる人間がいて、でもその人はそんな素振りは見せずに笑っている……」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「それを考えただけで、体が震えてしまうんじゃないかしら」

(*‘ω‘ *)「確かにそうだよねーそれに、もしかしたら次にあたしが殺されるかもって思うよねー」

ちんぽっぽが同意した。ツンもうなずく。
ツンの顔は青ざめていた。もしかしたら、芝居のキャラクターに感情移入しやすい性格なのかもしれない。

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「このサンドウィッチだって食べられないと思う」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「食欲が無いのもあるけど、そうじゃなくて……毒でも入ってたらどうしようって、きっと思うわ」

(　＾ω＾)「そうだお。この中に犯人がいるってことは、必ず犯人にも食事当番が回ってくるってことだお」

(　ﾟ∀ﾟ)「この中に、本当に友達を殺した殺人者がいたら……何も信じられなくなるだろうな」

そういえばはじめてかもしれない。
ここまで、これが現実だった場合の気持ちを考えたのは。
今までは、対応ばかりを考えていて、どう思う釜では真剣に考えていなかった。

191 ： ◆bsKbvbM/2c ：2006/03/20(月) 16:53:30.06 ID:ePooG7lI0: (´･ω･`)「そこまで考えていなかったな」

('A`)「犯人役は、まだ殺人を続けるのかね」

(*‘ω‘ *)「犯人さん、それだけでも答えてくれませんかー？」

それに答える声が、あるはずもない。

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「……でも、殺されるときってどういう風なのかしら」

(*‘ω‘ *)「あ、それは興味あるねー犯人役が現れて、『アウトです』とか言うのかなー？」

食事を再開したちんぽっぽは楽しそうに言った。
暗鬱とした空気は、すでになくなっている。みんなきりかえがはやいんだ。
さまざまな人間を演じ分ける役者なのだから、当然のことかもしれない。

(　＾ω＾)「それだけじゃないと思うお。だって僕たちは今、次回作を演じてるんだお」

(　＾ω＾)「ってことはだお、見せ場でもある殺しのシーンを、そんな手抜きでやるとは思えないお」

(´･ω･`)「それには同感だね。首を絞めるフリくらいはしたんじゃないかな」

(　ﾟ∀ﾟ)「ってことは、抵抗すれば逃げられるかもしれないってことか」

194 ： ◆bsKbvbM/2c ：2006/03/20(月) 16:58:33.63 ID:ePooG7lI0: (´･ω･`)「君は殺されますって、荒巻先生から指示が無い限りは、抵抗してもいいと思うよ」

ショボーンがそう言うと、全員安心したように息を吐いた。
僕もされには同意だ。

('A`)「……なあ、今思ったんだけど」

ふと、ドクオが口を開いた。

('A`)「殺される順番って、決まってないんじゃないか？」

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「え？」

(*‘ω‘ *)「どういうことぽっぽ」

('A`)「クーが一番最初に殺されるなんて、誰も思ってなかっただろ？」

('A`)「クーは演技力があるし、知的なふいんきryがあるから、俺はクーは最後まで生き残ると踏んでたくらいだ」

……そうなのだ。
クーさんの演技力は高いし、推理劇に相応しいとも言える役者の彼女が、一番最初に殺されるとは思わなかった。
それはみんなも同じく疑問に思っていたらしい。

195 ： ◆bsKbvbM/2c ：2006/03/20(月) 17:00:10.82 ID:ePooG7lI0: ('A`)「でもよ、夕べ俺たちは自分の部屋にいただろ。壁一枚挟んだところには、人がいる状態だ」

(　＾ω＾)「……クーさんは、僕たちの部屋から離れた遊戯室にひとりだったお」

(´･ω･`)「つまり、犯人は臨機応変に動いていると言うことか」

ショボーンの言葉にドクオがうなずいた。

('A`)「殺せる奴を殺せる時に殺しただけだと思う、クーが殺されたのは」

(　＾ω＾)「……もしかしたら、殺される順番は次回作にも反映されるかもしれないお」

(*‘ω‘ *)「ええー！？」

ちんぽっぽが露骨に嫌そうな顔をした。
つまり、はやく殺されてしまえば、実際の次回作でも出番はわずかになるということだ。

ξﾟ⊿ﾟ)ξ「荒巻先生のことだから、有り得るわね……」

(　ﾟ∀ﾟ)「そうなると、ますます犯人を突き止めないとな。殺される前に犯人を突き止めれば、主役の探偵役がもらえるってことだろ」