293CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 03:37:34.87 ID:+P0t7417O
―昼―

ミ* ゚Д゚彡「ありゃりゃ…?」

立ち小便から手製のログハウスに帰るなり、フサ=ギコは間の抜けた声を上げた。
愛用している登山用リュックサックが、無い。

ミ* ゚Д゚彡「っかしーな、さっき荷物詰めてここに置いた筈なのによー。そういやジョルジュもいねぇし…」

バリバリと頭を掻きながらあちらこちらを見回し、生ゴミの袋を開け、ボールペンのキャップの中を確かめ、最後に自慢の木製テーブルの下を覗く。

ミ* ゚Д゚彡「どこだー、って、お…」






Σ( ゚∀゚)ビクッ

298CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 03:49:10.90 ID:+P0t7417O
ミ* ゚Д゚彡「こんなトコでなぁにやってんだ?ジョルジュ」

ギコが暗がりに向かって手を伸ばす。が、立ち上がったレッサーパンダほどの小さな身体を丸めたジョルジュはその手を頑なに押し返した。

(∀゚;≡;゚∀)「イクナイ!イクナイ!」

ミ* ゚Д゚彡「イクナイ!じゃねぇだろがよー!俺とおまえの仲じゃねーか。うら!怒らねぇから何やってるか教えてみ!」

(∀゚;≡;゚∀)「失せろ!失せろ!」

だがジョルジュはやはり頑なに縮こまるばかり。

ガコン。

ギコの足元に、何かが転がって来た。

Σ(;゚∀゚)

ミ* ゚Д゚彡「あ…この缶詰は俺がリュックに詰めといた奴……て事ぁ……」








アッー!

299CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 03:59:02.78 ID:+P0t7417O
そう、ジョルジュはギコが一晩かかって詰めた積み荷を、一切合切投げ散らかして代わりに何かを懸命に詰め込んでいたのだ。

ミ# ゚Д゚彡「ジョルジュ…ッ!てめぇゴルァ!何やっとんじゃあぁああああああ!!」

ゴインッ!
山の男の拳が唸る。ジョルジュは咄嗟に庇おうと頭部をガードしたが、その防御を砕いて衝撃がジョルジュの脳天を貫いた。

(;;゚∀゚)「ABCAAEGDカップpt.マンセー!mtwふじこ!!!!」

ミ* ゚Д゚彡「まったくおまえはぁ…」

(##゚∀゚)「嘘つき!嘘つき!」

じんわりとつぶらな目に涙が浮かべて痛みに転げ回るジョルジュを見下ろして、ギコは奪い返したパンパンに膨らんでいるリュックサックを覗き込む。

ミ* ゚Д゚彡「何入れてんだか…」

302CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 04:08:37.60 ID:+P0t7417O


   ∧∧
   /⌒ヽ彡
  i三 ∪
 ○三 |
  (/~∪
  三三
 三三
三三三





ミ* ゚Д゚彡「…何で全部おっぱい関係のエロ本なんだよ…………登山関係ねぇよ………」

305CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 04:15:56.03 ID:+P0t7417O
ミ* ゚Д゚彡「大体よぉ」

鞄に大量に詰まったおっぱいの写真をばさばさとテーブルの上に広げながら、ギコが太い眉を寄せる。

ミ* ゚Д゚彡「おめーは今回留守番だっつってんだろが」

( ゚∀゚)「………」

テーブルの上に上り、無造作に放り出されるおっぱい写真を必死にかき集めていたジョルジュがショックを受けたように顔を上げた。

ミ* ゚Д゚彡「今回ハレルジャに行く道はなぁ、危険なんだよ。
ひいひいじいちゃんの代から、ツリクマーがうじゃうじゃ居るってぇ噂だ。死んだ父ちゃんに熊退治の腕ぇ鍛えられた俺だって、まだマトモに通れるかわかんねぇんだよ」

307CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 04:26:13.33 ID:+P0t7417O
( ゚∀゚)「…。アホ!アホ!」

ミ* ゚Д゚彡「ああ?普通に行けばいいのに、何でわざわざそんな道通るのかって?」

古いキセルに火を点しながらギコがフッと笑い、ジョルジュの丸い頭を撫でた。

ミ* ゚Д゚彡「なぁジョルジュ、漢には譲れねぇモンがあるんだよ…」

(#゚∀゚)「知るかボケ!知るかボケ!」

ぽかぽか!ぽかぽか!

連れて行って貰えないのがよほど悔しいのか、ジョルジュがぽかぽかとギコの身体を叩き始める。

ミ* ゚Д゚彡「いてて!落ち着け、こら。
父ちゃんの話ではあの道にはな、レバノンっつう名木がごろごろしてるらしいんだ。…ほら、これ触ってみろぃ?」

ギコは自分の下げているペンダントを差し出した。

ジョルジュが恐る恐る先っちょの丸まった手を伸ばす。

( ゚∀゚)「………」

308CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 04:34:03.69 ID:+P0t7417O
その美しい木目をなぞっていたジョルジュが、驚いたように腕を振り上げる。

ミ* ゚Д゚彡「ん?どうだ?」

( ゚∀゚)「…つるつる!つるつる!」

ミ* ゚Д゚彡「だろ!つるつるなんだよ」

ギコが嬉しそうに笑う。
学の無いギコにはレバノンが正式にはどう言う学名で、どんな効用を持つのかなどはわからないし、伝えられない。
だからこんな未熟な伝え方で感動してくれるジョルジュと居る事は、とても嬉しい事だった。


( ゚∀゚)「ギコ!つるつる!ギコ!つるつる!」

ミ* ゚Д゚彡「ばーか。それじゃ俺が、つるっぱげみたいじゃねーか」

ギコは笑いながらテーブルに腰を下ろし、興奮してはしゃぎ回るジョルジュを抱えて膝の上に乗せた。

309CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 04:41:28.83 ID:+P0t7417O
( ゚∀゚)「うp!うp!」

ミ* ゚Д゚彡「あ?それ欲しいのか?」

ペンダントをしっかりと握って胸を叩いてくるジョルジュを眺めて、ギコは少し困ったように笑う。

ミ* ゚Д゚彡「それなぁ、母ちゃんの形見なんだわ」

( ゚∀゚)「…カーチャン?カーチャン…」

はしゃいでいたジョルジュがしんと静かになった。
俯いてしまったジョルジュの頭を慣れた手つきで撫でながら、ギコが明るい口調で続ける。

ミ* ゚Д゚彡「んでも、ジョルジュが欲しいんならそれ、やるよ。ペンダントなんかレバノンの木見付けたら、いくらでも作れるんだしな」

( ゚∀゚)「……」

ぺいっ。

314CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 04:49:03.82 ID:+P0t7417O
とてとてっ

ミ* ゚Д゚彡「ああ?ジョルジュ、どうした?」

ペンダントをギコへと投げると、物も言わずに膝から下りて行ったジョルジュの背中にギコが焦ったように声をかける。

ミ* ゚Д゚彡「悪いもんでも喰ったんか?」

( ゚∀゚)「……つるつる!つるつる!」

隣で膝を抱えたジョルジュが、俯いたまま答えた。

( ゚∀゚)「つるつる!お前の!つるつる!」

ミ* ゚Д゚彡「ジョルジュ………」

ギコが声を詰まらせた。戻って来たペンダントを握り締め、急いで胸へとぶら下げる。
そう、本当は、他のペンダントが代わりにならないことなど知っていた。

ミ* ゚Д゚彡「ありがとな」

(*゚∀゚)「…黙れ!黙れ!」
照れ臭いのかジョルジュはこちらを見ようとしない。

325CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 05:04:16.37 ID:+P0t7417O
そんなジョルジュを横目に、ギコは眠たげな欠伸を一つ。そして空のリュックサックに出された荷物を詰め直して行く。

ミ* ゚Д゚彡「で、んな事ぁ別にどうでもいいんだわ」
Σ( ゚∀゚)

ミ* ゚Д゚彡「今回は危ねぇの。枝を薙ぎ払って、道を作りに行くようなもんなんだからよ。
ぶっちゃけ、おめーがいると邪魔なの。
ちゃんと留守番してろよな。サクッと行って帰ってくるからよぉ」

((;; ゚∀゚))

ミ* ゚Д゚彡「心配すんなってー、帰ったら取って来たレバノンでお前にペンダント作ってやっからさぁ!」
(;;; ゚∀゚)「…!!」

ぴょんっ!
ジョルジュがリュックサックを掴んでテーブルから飛び降りる。

ミ* ゚Д゚彡「あ!ゴルァ!あちぃっ!ジョルジューーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

慌てて追おうとした手にキセルの灰が落ち、ギコが思わず悲鳴を上げた隙に、リュックとジョルジュは狭い家の中をちょこまかちょこまかと駆け回る。

328CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 05:15:43.03 ID:+P0t7417O
ミ# ゚Д゚彡「待てゴルァ!ジョルジューーーーーーーー!!!!」


ガタンッ!バタバタッ!


≡≡≡≡≡┌(; ゚∀゚)┘


ミ# ゚Д゚彡「リュック返せゴルァアァアアアアアーーーーーーーーーー!!!」

ドタァン!ばきばきっ!どたぁん!


┌(゚∀゚;└)≡≡≡≡≡

329CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 05:17:10.70 ID:+P0t7417O
家内鬼ごっこにしてはド派手な音を立てながら、ジョルジュとギコの追い掛けっこはヒートアップしていく。
ジョルジュの方が小さい分スピードが速く、捕まえられそうでなかなか捕まえられない。

だが。

(((┌(;; ゚∀゚)┘「ひっ!ひっ!ふー!ひっ!ひっ!ふー!」

リュックの重みに体力を奪われていくのを抑え切れず、ジョルジュの駿足が鈍り始めた。

それをギコは見逃さない。

ミ* ゚Д゚彡「セイッ!」

332CATS ◆STRAY/tOkM [頑張るお( ^ω^)] :2006/03/27(月) 05:24:51.37 ID:+P0t7417O
ゴロゴロゴロゴロ!

( ゚∀゚)「!!!?」

ずべしゃあッ!

タイミングを見計らってギコがジョルジュの進路に転がした缶詰に足を取られ、ジョルジュが見事にすっ転んだ。
リュックサックが床に転がる。

ミ* ゚Д゚彡「ったく…手間かけやがって」

荒い息を整えながら、ギコがリュックサックを取ろうと手を伸ばし、腰を屈めた時だった。


ε≡(;;ノ゚∀゚)ノバッ!


ミ* ゚Д゚彡「あ!ゴルァ!離れろ!」

334CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 05:30:30.09 ID:+P0t7417O
ギコがリュックを掴み上げるその一歩前のタイミングで、ジョルジュがリュックの紐に縋り付いた。

ミ* ゚Д゚彡「こら!こら!離れろゴルァ!!」

ブンッ ブンッ

ギコがリュックを振り回す。だが、ジョルジュは必死に食らい付いて離れようとしない。

やむなくギコはジョルジュの頭を掴み、引きはがしにかかった。

ミ* ゚Д゚彡「だあああああああ!!はーなーれーろーおおおおお!!!」


だが断る!だが断る!
∩∩_、、_ _、、_∩∩
ミミ(Д´≡`Д)彡
 ミ⊃⊃⊂⊂彡
   | |
   しωJ

336CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 05:38:06.34 ID:+P0t7417O
体格差からもまともにぶつかり合えば勝敗の行方は目に見えている。

べしゃっ!

Σヾ(;゚∀゚)ノ「!!!」

ジョルジュは呆気なく墜落して、打ち付けた頭を抱えてうずくまった。その際に、リュックに結び付けておいたバンダナがハラリと解けて床に落ちる。

ミ* ゚Д゚彡「ったくよぉ……余計な時間取っちまったぜ」

ギコが呆れたように言いながらそのバンダナに手を伸ばそうとした時だ。

ミ* ゚Д゚彡「…ジョルジュ」

337CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 05:44:03.79 ID:+P0t7417O
一緒!一緒!一緒!一緒!
  _  ∩
 ( ゚∀゚)彡
 (■ ⊂彡
 |  |
 し⌒J

まるでリュックの代わりだとでも言うように、その薄汚れたバンダナを強く抱きしめてジョルジュは必死に腕を振る。
ぽろぽろと涙を零す二つの目が、縋るようにギコを見ていた。

( ;∀;)っ■「ギコ!…一緒!…ジョルジュ!…一緒!……一緒ぉ…」

ミ* ゚Д゚彡「……………」



―――――見つめ合うと素直におしゃべりできない――――――

340CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 05:51:09.04 ID:+P0t7417O
ミ* ゚Д゚彡「………仕方ねぇな。クソッ、連れてきゃいんだろ?連れてきゃーよお!」

( ゚∀゚)!!!

ついにギコは、折れた。折れるしか無かった。

(* ゚∀゚)「…!」

ごしごしごしごしっ!

ジョルジュが途端に汚れたバンダナで、勢いよく顔を拭き始める。
そして。


始めから!そうしろタコ!
  _  ∩
 ( ゚∀゚)彡
 (  ⊂彡
 |  |
 し⌒J


ミ* ゚Д゚彡「ちょwwww立直り早ぇwwwwwwwwwww」

341CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 05:58:41.46 ID:+P0t7417O
ゴチン。
威力控え目にゲンコツを落として、ギコは笑った。心底楽しそうに笑った。

ミ* ゚Д゚彡「バーカ。
あーもうまた小便したくなってきちまった。大人しくしてろよ?次はよォ。帰って来たら直ぐに出れるように準備しとけな」

( ゚∀゚)「はよ行け!はよ行け!」

腕を振るジョルジュに送られて、ギコはまた屋外へ出ていく。

ぴょん。

(* ゚∀゚)「おっぱい!おっぱい!」

ギコ手製の自分用の小さな肩掛け鞄に、お気に入りの美乳写真をいそいそとしまいながらジョルジュも笑った。心底楽しそうに笑った。

(* ゚∀゚)「おっぱい!おっぱい!」










コトン。

343CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 06:04:43.18 ID:+P0t7417O
ガチャッ

ミ* ゚Д゚彡「あー、すっきりした」

晴れ晴れとした顔でギコが帰ってくる。テーブルの上のリュックサックは元のまま。よし、ジョルジュは悪戯しなかったようだ。

だが、そのジョルジュの姿が見えない。

ミ* ゚Д゚彡「ジョルジュ?支度済んだか?なーんだ、また隠れんぼでもしてぇんか?」


………。


ミ* ゚Д゚彡「…?」

違う。ギコは本能で感じていた。さっきまでの空間と、違う。
何だかポッカリと穴が開いたような…何かが足りないような…。

ミ* ゚Д゚彡「ジョルジュ…?」

346CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 06:13:29.60 ID:+P0t7417O
鬼ごっこの名残でぐちゃぐちゃな部屋を落ちつかなげに見回していたギコが、ホッとしたように息を吐いた。

ミ* ゚Д゚彡「なんだ、んなトコにいたのか……驚かせるなよ」

腰を屈め、しゃがみ込む。
ジョルジュはさっきと同じようにテーブルの下に転がっていた、俯せに。

…………。

ミ* ゚Д゚彡「何だよ…機嫌悪くしちまったか?
すねんなよ、今日の晩飯はおめぇの好きなトラウサギのジャーキー余計にやっからよ」

………。


ミ* ゚Д゚彡「あーゴルァ、何とか言えってジョルジュ!!」

グッ。

ミ* ゚Д゚彡(え…?)

掴んだ手は、やけに固くてゴツゴツしていた。
まるで木のように。

347CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 06:19:48.54 ID:+P0t7417O
ミ; ゚Д゚彡「…!」

バッ。

思わず掴んだ“それ”を離して、自分の手をまじまじと眺め下ろし、確認する。別に自分の手に異常は無い。

ミ; ゚Д゚彡「…ッ、あ………」

バクバクと鼓動が跳ね上がる。なぜだか分からないが、目眩がした。

ミ; ゚Д゚彡「ジョ、ジョル………」

震える声で名を呼ぼうとしたその時。

おっぱい!おっぱい!
  _  ∩
 ( ゚∀゚)彡
 (  ⊂彡
 |  |
 し⌒J


ミ* ゚Д゚彡「!!!!」

350CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 06:26:22.69 ID:+P0t7417O
耳慣れた声と一緒に、ジョルジュがベッド下から這い出して来た。そして何事も無かったように座り込み、残りの写真をせっせと鞄に詰めていく。

( *゚∀゚)「おっぱい!おっぱい!」

ミ* ゚Д゚彡「ジョルジュ……」

ギコは躊躇いながら、丸い背中に向けて手を伸ばした。

ぽんぽん。

ミ* ゚Д゚彡「……」

やわらかで、あたたかい。
突然撫でられたジョルジュが不思議そうに振り返ると、首を傾げて腕を振る。

( ゚∀゚)「セクハラ?セクハラ?」

ミ* ゚Д゚彡「ちょwwおまwww違ぇよwwwwwwwww」

352CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 06:32:53.75 ID:+P0t7417O
( ゚∀゚)「セクハラ!セクハラ!」

ミ# ゚Д゚彡「違うつってんだろゴルァ!死んだふりなんかして脅かしやがって!!」

ゴツン!

Σ(;;;゚∀゚)「あういえおぱぱいmpthamwpgますお!!!!」

拳を放つとジョルジュがいつものように悶絶して転がり回る。その目は不本意だといいたげにギコを睨んでいたが。

ミ* ゚Д゚彡「ブッ…変な声出してんじゃねぇよぉ!」

ギコは笑い飛ばしてリュックを背負った。

ミ* ゚Д゚彡(さっきのは角材か何か間違って握っちまったんだろうな…)

この家じゃ、何処に材木が転がっていてもおかしくなどない。

(#゚∀゚)「野蛮人!野蛮人!」

353CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 06:44:00.85 ID:+P0t7417O
ミ* ゚Д゚彡「あーあー、おっぱい星人にゃあ言われたくないね」

(### ゚∀゚)「おっぱい!ナメんな!おっぱい!最高!!」

肩掛け鞄を翻してぽかぽか殴り掛かるジョルジュに応戦しながら、家を出る。

ミ* ゚Д゚彡「お?やんのかゴルァ?」

(### ゚∀゚)「おっぱい!宝!おっぱい!宝!!」

いつものやり取りに心が解けていくのが分かり、元来大雑把なギコはさっきの事など直ぐに忘れてしまった




ザッザッザッザッ…

ミ* ゚Д゚彡「…ここだな。」

354CATS ◆STRAY/tOkM :2006/03/27(月) 06:51:27.51 ID:+P0t7417O
暫く緩い傾斜の坂を上がり鬱蒼と木の繁ったその入口に差し掛かると、ギコは真剣な表情で腕時計タイプのコンパスを合わせた。
濃密な木の匂いと一緒に、危ない空気が漂ってくるような錯覚を覚える。

ミ* ゚Д゚彡「んーじゃ、マジで危ないから離れんなよ。言い付け破って危ない目遭っても助けてやんねぇからな」

( ゚∀゚)「おk!おk!」

ジョルジュが元気よく腕を振った。その脳天気さに思わず笑みを誘われながらも、ギコの目に宿る真剣さは消えない。
チリチリと、足首に結んだ熊避けの鈴がなる。

バチンッ。

鈍い光を放つ、長年使い慣れたナタで近くの小枝を勢いよく切り払ってから、ニヤリとギコが笑った。

ミ* ゚Д゚彡「ッしゃあ!漢フサ=ギコ、ハレルジャ・ヴィップレッジに出発だゴルァ!!」

( ゚∀゚)「出発!出発!」


第5部3
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