26
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
19:10:21.40 ID:GvI/93yC0
( ^ω^)「もう20日になったおwwwwwww」
天気は快晴。
天気予報が当たれば、全国的に一週間先まで快晴が続くらしかった。
(*‘ω‘ *)「あ、内藤くーん!こっちこっち」
( ^ω^)「おはようございますだお」
川 ゚ -゚)「これで、全員揃ったようだな」
(´・ω・`)「運転は、僕とジョルジュが交代でいくから」
('A`)「安全運転で頼むぜ。事故にでも遭ったらせっかくの合格がパーだ」
( ゚∀゚)「把握した」
ξ゚听)ξ「それじゃあ、行きましょう」
28
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
19:13:03.49 ID:GvI/93yC0
車に乗り込み、僕はツンの向かい側に座ることが出来た。
パーキングエリアに止まった時、ツンの隣に座ろうと企んでいたけど、結局斜め向かい側になってしまった。
(*'A`)「……」
(#^ω^)「……」
ツンの隣には、ずーっとドクオが座っていた。
……どうやら、ドクオもツンが好きらしい。ツンはかわいいから、当然と言えば当然だ。
車内での会話は
なぜ家族への口外も禁止されてペンションに呼び出されたのか、ということと、
秘密の打ち合わせの内容がどういうものなのか、ということに尽きた。
けど結局荒巻先生の意図するところはわからないまま、目的地のペンションに到着してしまった。
ペンション『ニート』の外観に派手さはなく、どちらかというと地味な印象だった。
午後3時。遅刻者0、欠席者0。ひとまずは安心だ。
各自、自分の荷物を持って車から降りて、ショボーンが玄関扉を開けた。
29
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
19:16:31.35 ID:GvI/93yC0
( ,,゚Д゚)「ニュー速VIPの人だなゴルァ」
迎えてくれたのは、乱暴な語尾が特徴的な青年1人だけ。
『ニート』は外観と同じく落ち着いた内装で、青年のほかに人気はなさそうだった。
(´・ω・`)「やあ。オーナーのギコさんですか?」
( ,,゚Д゚)「ああ。寒かっただろ、奥のラウンジにストーブがあるぞゴルァ」
川 ゚ -゚)「お邪魔する」
僕たちはほとんど遠慮せずラウンジに向かい、壁際に荷物を置くとストーブのまわりに群がった。
( ^ω^)「あったかいお」
('A`)「もう春だってのに寒かったからな」
(*‘ω‘ *)「まだこのへんは雪が残ってたもんねー」
30
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
19:19:53.55 ID:GvI/93yC0
ちんぽっぽはそう言うが、ここ数日快晴が続いたらしく
ペンションのまわりの雪もほとんど融けていた。
( ,,゚Д゚)「1、2……ちゃんと7人いるようだなゴルァ」
( ゚∀゚)「おう。遅刻も欠席もいないぜ」
なぜかジョルジュが得意気に言う。
するとストーブで暖を取っていたクーさんが立ち上がって、ギコに言った。
川 ゚ -゚)「あの、荒巻先生の姿が見えないのですが……お部屋にいらっしゃるのですか?」
( ,,゚Д゚)「あ?」
クーさんの言うとおり、ラウンジから見渡す限りでは、荒巻先生の姿が見えなかった。
みんなの話では、荒巻先生は時間に厳しいから、1時間前に着いてももう居る筈、ということで
僕たちは余裕を持ってやってきたのだが……
ξ゚听)ξ「先生、まだいらっしゃってないのかしら」
31
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
19:24:31.19 ID:GvI/93yC0
( ,,゚Д゚)「何言ってんだ?荒巻氏なら、ここにはこないぞゴルァ」
('A`)「……あ?」
ギコは当然のことのように言った。
……ここにはこない?
どういうことだ? 僕たちは、打ち合わせをしにここまできた筈だ。
なのに、荒巻先生はここにはこない???
(;^ω^)「どういうことだお」
( ,,゚Д゚)「聞いてないのか? まあいい」
( ^ω^)「よくないお」
( ,,゚Д゚)「説明するから黙ってろゴルァ」
ギコは強い口調でそう言って、テーブルの並ぶ……多分、食堂だろう、食堂の方を向いた。
僕たちに背中を向ける格好になって、ギコは”説明”を始めた。
35
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
19:31:14.60 ID:GvI/93yC0
わけのわからない僕たちは、ギコが説明してくれると言うのだから、
ありがたいと思い静かに話を聞くことにした。
だが、ギコの”説明”というのは、僕たちが期待したものではなかった。
( ,,゚Д゚)「あっちが食堂で、その奥に厨房がある。誰が料理をつくるんだ?ゴルァ」
( ゚∀゚)「……あ?」
川 ゚ -゚)「それは……どういうことですか?」
(´・ω・`)「僕たちが作るのかい? ここはペンションだろう?」
さすがに抗議の声があがる。
僕は一昨日の夜、気になってこのペンションをぐぐって調べたけど、
食事は自分たちで作れなんて、一言も書いてなかった筈だ。
なのに一体どういうことなんだ……?
( ,,゚Д゚)「なんだ、これも聞いてないのか。めんどくせーなゴルァ」
(*‘ω‘ *)「荒巻先生とは一体どういう話になってるぽっぽ?」
40
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
19:43:54.15 ID:GvI/93yC0
( ,,゚Д゚)「簡単な話だ」
( ,,゚Д゚)「”4日間貸しきる。食事雑務全部自分たちでやらせるから、従業員も全員でてって欲しい” それだけだゴルァ」
……もう、誰も何も言わなかった。
全員が困惑した表情でギコを見つめる。
しかしギコはそれ以上のことは知らないのか、とっとと”説明”に戻ってしまった。
( ,,゚Д゚)「そういうことだから、厨房の使い方とかボイラーとか、いろいろ覚えてもらわないと困るんだよゴルァ」
( ,,゚Д゚)「まずは厨房だな……食事当番とか決まってないみたいだから、とりあえず全員ついてこい」
そう言って歩き出してしまったギコに、みんな釈然としない表情でとりあえずついていく。
そんな中、ショボーンが諦めたようにつぶやいた。
(´・ω・`)「あの先生ならやりかねないな……」
44
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
20:20:32.70 ID:GvI/93yC0
僕たちはギコに連れられて、厨房、事務所、ボイラー、浴室の順に回った。
ラウンジに戻ってくると、最後にストーブの使い方を教わってギコの”説明”は終わった。
( ,,゚Д゚)「さて、こんなもんだな。何か質問はあるか?」
ξ゚听)ξ「私たちの部屋はどこです?」
ツンが言って、ギコは忘れてたのかああ、と小さく声を漏らす。
( ,,゚Д゚)「2階に1人部屋が3部屋と、2人部屋が5部屋ある」
( ,,゚Д゚)「扉にネームプレートがあるから、自分の部屋に行けよゴルァ」
川 ゚ -゚)「部屋割りを決めたのは、荒巻先生ですか」
クーさんの口ぶりは、質問というより確認だった。
その間にちんぽっぽは荷物を持って階段を上がって、応接室の上の部屋へと入っていた。
( ,,゚Д゚)「ああ。とは言っても、俺も仲介人を通してしか話をききて無いんだがなゴルァ」
(*‘ω‘ *)「おーい!みんなもおいでよー結構いい部屋だよー」
45
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
20:27:05.13 ID:GvI/93yC0
ちんぽっぽの声をきっかけにして、みんな荷物を持って二階に上がることにした。
部屋は階段から見て左から、ドクオ、僕、ショボーン、ジョルジュ、ツン、ちんぽっぽ、クーさんの順で
ドクオと僕とショボーンが1人部屋だった。
2人部屋のメリットも特にない気がするけど、やっぱり2人部屋の4人がうらやましい。
廊下の角を曲がったところにもう1部屋、2人部屋があって
その奥に遊戯室もあった。
( ゚∀゚)「へぇ、ビリヤードがあるのか」
ξ゚听)ξ「やめてよ。うるさいから」
( ,,゚Д゚)「一応、この部屋は防音になってるぞ。ピアノがあるからな」
ギコのその言葉に、クールなクーさんが少し笑ったのに気がついた。
そう言えば彼女はオーディションでピアノを弾いていたっけ。
全員部屋に荷物を置いてから、またラウンジに集まった。
46
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
20:34:14.00 ID:GvI/93yC0
( ,,゚Д゚)「じゃあ、俺は家に帰るぞゴルァ」
(;^ω^)「本当に僕たちだけになるのかお……」
( ,,゚Д゚)「事務所に電話がある。その横の電話帳の一番上に、俺の携帯番号が書いてあるから」
( ,,゚Д゚)「何かあったらかけろ。火の始末は気をつけろよゴルァ」
そう言うと、ギコは事務所に入っていってしまった。
残された僕たちは呆然と立ち尽くすしかない。
川 ゚ -゚)「まったく……一体先生は何を考えているのか」
('A`)「俺たちにわかるわけないだろ」
しばらくして、荷物を抱えたギコが出てきた。
そのまま何も言わずに玄関に向かってしまう。本当に行ってしまうのだ。
しかしギコはスニーカーを履き終えると、思い出したように振り返った。
47
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
20:39:50.50 ID:GvI/93yC0
( ^ω^)「どうかしたかお?」
( ,,゚Д゚)「忘れてた。荒巻氏からの手紙だゴルァ」
( ^ω^)「ちょwwwwwwwwwwwww」
ギコが差し出したのは、白い封筒だった。
呆れ果てたドクオが、倒れこむように窓際の長椅子に腰を下ろす。
他のみんなも、もちろん僕も、
そんな大事なものを忘れて出て行きそうになったギコに呆れていたが
クーだけは表情を崩さずに、早足でギコの元へ行くと封筒を受け取った。
( ,,゚Д゚)「じゃあなゴルァ」
そう言って、ギコは玄関扉の向こうへ消えていった。
しばらくするとエンジン音がして、車が走り去る音がした。
51
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/19(日)
20:48:16.73 ID:GvI/93yC0
クーさんは封筒の口を丁寧に指で切り、数枚の便箋を取り出した。
どうやらそれはワープロで書かれているらしく、数枚に渡っている。
川 ゚ -゚)「……」
(´・ω・`)「何て書いてあるんだい?」
全員の視線が、クーさんと便箋に集まっていた。
クーさんは手紙を斜め読みしたのか、すぐに一枚目に目を戻して僕らを見た。
川 ゚ -゚)「……荒巻先生からだ。今読み上げる」
( ゚∀゚)「しかし助かったな。何の指示も無いままじゃ帰るしかないぜ」
(*‘ω‘ *)「でも何で手紙なんだろ?電話でもくれればいいのに」
ξ゚听)ξ「とりあえず、手紙の内容が先ね。クーちゃん、読んで」
ツンが促して、クーさんが手紙を読み始めた。
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第3話目