- 【プロローグ】
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:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 18:59:24.25 ID:lJwpJ6NmO
('A`)ニート…ドウテイ…ニジゲン…エビピラフ…イモウト…
('A`)ウツダ…シノウ。
???「お待ちなさい」
('A`)…アンタハ?エラク綺麗ナ兄チャンダナ。や ら な い か?
???「うほっ。…じゃなかった。貴方、お悩みがありそうですね。ですが貴方はここで希望を捨てるべきではありません。貴方には私が付いております」
('A`)…希望ナンテうまい棒ヨリ安イ文句ダゼ、イマドキ。
???「そうひねくれないで。案ずるより生むが安し。目を閉じて全てを私に委ねてごらんなさい」
Σ('A`;)委ネル…ナ、ナンダ、コノ光……マブシイ……
ぱああああああああああああ…
???「さあ、目を開けて。この鏡を御覧なさい。今の貴方が映っています」
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:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 19:01:52.44 ID:lJwpJ6NmO
【++(・ー・)】←鏡
元毒男「こ、この池面が俺…?嘘だろ?!あ、ありえねーよ!」
実体化二次元美少女「おにいちゃん♪エビピラフ作ったよぉ♪」
元毒男「ま、まなみ!お前はまごうことなく俺が日々妄想していたまなみじゃないか!」
スカウトマン「失礼。私はこう言う者ですが是非貴方を引き抜きたいと…勿論報酬は破格です」
元毒男「…………(゜д゜)」
???「ふふ、ご満足ですか?」
元毒男「あ、……ああ。これ夢じゃ……ま、待ってくれ!行かないでくれ!礼がしたいんだ!」
???「…私はいつでもあの村にいますよ」
元毒男「あの村?」
???「また何か困り用があった時は、ハレルジャ・VIPレッジのトニー・ブラウンをお尋ねください。いつでも貴方の力になりましょう」
元毒男「ま、…待て、待ってください!アンタ一体何者なんだ?!」
???「…そうですね、人は私の事を『神様』と呼ぶようですが。…では、失礼」
それきり男は消えてしまった。
まなみ「トニー様ぁ、またねぇ♪」
元毒男「トニー様…ハレルジャ・ヴィップレッジの神、トニー・ブラウン………」
【第一部―神様に会いに行こう―】
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:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 19:10:47.94 ID:lJwpJ6NmO
畑だらけの田舎道を、二人の男女が歩いていた。
男の名は内藤ホライゾン。女の名は内藤ツンと言う。
二人は夫婦だった。
( ^ω^)「ふう…ツン、大丈夫かお?」
ξ゚听)ξ「だ、大丈夫に決まってるじゃない!あんまり気をつかわないでよね!」
( ^ω^)「そうは言っても心配だお。ツンのお腹の中には僕らの大事な赤ちゃんがいるんだお」
ξ////)ξ「…ッ!」
( ^ω^)「照れてるツンも可愛いお」
ξ*゚听)ξ「う、うるさいわよ!少し疲れちゃったわ、あそこにある切り株で休んでいきましょうよ」
( ^ω^)「そうするお」
二人は木陰の下にある大きな切り株に並んで腰かけた。ブーンが抱えた大荷物を足元に置く。
9
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 19:20:05.16 ID:lJwpJ6NmO
ξ゚听)ξ「ふう…涼しくて気持ちがいいわね。町とは大違いだわ」
( ^ω^)「本当だお。ツン、これ食べるといいお」
ブーンの差し出したビスケットを、ツンがもくもくと食べる。
うららかな日差しの中をかわいらしい小鳥が飛んでいる。暗い顔の内藤とは対照的に、ツンはしばらくぼんやりと平和を満喫していた。
( ^ω^)「ニュー速町を出てからもう1週間だお…本当はもっと早く『あの村』に着いててもおかしくないのに……ツン、ごめんお」
ξ゚听)ξ「ブーン…」
( ^ω^)「トニー様への贈り物を買っているうちに、僕がロバの馬車を盗られたりしなければ、今頃は…」
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:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 19:27:07.59 ID:lJwpJ6NmO
ξ゚听)ξ「…元気出しなさいよ。盗られちゃったものは仕方ないじゃない」
呆れたようにツンが内藤の丸い背中を撫でた。
( ^ω^)「ツン…」
ξ゚听)ξ「そりゃ確かに盗んだ奴はムカつくわよ。でも、あんたが買った贈り物はちゃんと残ってるじゃない。
噂によるとトニー様は万能の神様なんでしょ?贈り物を捧げて一生懸命お願いすれば、きっと馬車だって帰ってくるはずよ」
( ^ω^)「そうかお」
ξ゚听)ξ「そうよ」
( ^ω^)「うはwwwwなんか元気出てきたwwwwwwwww僕もポーション飲むおwwwwww」
ξ゚听)ξ「ホントに現金な奴なんだから…」
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:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 19:35:44.14 ID:lJwpJ6NmO
( ^ω^)「ツンもポーション飲むかお?」
ξ゚听)ξ「ちょwww母体に青色一号ヤバスwwwwwww」
内藤ホライゾンと幼なじみにしてその妻、内藤ツン。
そう。
二人はトニー・ブラウンと言う人物に会うために住み慣れたニュー速町を後にしたのだった。
目的は、生まれてくる子供が元気でいい子に育つように、と言う祈願。
彼の所業は噂でしか聞いた事はない。正直半信半疑だったし、信じる者は少なかった。
だが、ハレルジャ・ヴィップレッジに祈願に行った隣家のトメ(86)が輝くようなブロンド美女になって帰って来た時、
そしてその理由をトメと仲のいいツンだけが聞き出した時―――彼等の心は決まったのだ。
『神様に会いに行こう』と。
13
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[sage] :2006/03/25(土) 19:48:48.69 ID:lJwpJ6NmO
( ^ω^)「さて、そろそろ大丈夫かお?」
ξ゚听)ξ「ええ、行きましょうか。地図によるともう少しですものね」
内藤がツンの手を引いて立ち上がりかけた時だった。
???「よーよーよー!お前さんたち、トニー様に会いに行くのかい?」
底抜けに陽気な声がして、二人は振り向いた。
見れば、林の中からいかにも山男と行ったいで立ちの男が笑顔を浮かべてこちらに向かって来るところだった。
( ^ω^)「そうですお。あなたは誰ですかお?」
ξ゚听)ξ「こんにちは」
ミ* ゚Д゚彡「おお、べっぴんなお姉ちゃんだな!俺はフサ=ギコってもんだ。この辺りで樵(きこり)をやってんのさ。
で、こいつは………ん?あいつ何処行ったんだ?」
( ^ω^)「?」
14
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 19:56:40.35 ID:lJwpJ6NmO
ギコが困ったように辺りを見回す。
突然ツンの悲鳴が響き渡った。
ξ;゚听)ξ「きゃあああああああ!」
おっぱい!おっぱい!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
( ⊂彡
| |
し⌒J
ツンの推定Cカップに、何とも奇妙な生き物が腕を振りながらしがみついていた。
(#^ω^)「て、てんめぇツンに何しとんじゃわれぇ!!」
ミ* ゚Д゚彡「ジョルジュ!おめぇ何しとるんだべさ!!」
ゲシッ!
ジョルジュと呼ばれた生き物の頭に、内藤とギコの拳が同時にヒットした。
15
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 20:03:03.11 ID:lJwpJ6NmO
( ゚∀゚)「おっ…ぱい…」
ξ////)ξ「ッ!」
ぐしゃっ!
追い撃ちのようにツンの拳が骨を砕く音を立てる。
ミ* ゚Д゚彡「いや、すまん。うちのジョルジュが…」
憤激した様子の夫婦にギコが申し訳なさそうに頭を下げた時、それを掻き消す勢いで地面に倒れたジョルジュが喚き始める。
おっぱい!おっぱい!
∩∩_、、_ _、、_∩∩
ミミ(Д´≡`Д)彡
ミ⊃⊃⊂⊂彡
∵。゚∴・!
∵。・゚・
。゚∴・゛
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しωJ
ミ* ゚Д゚彡「おめぇ大人しくしてろ!ほれ!」
痺れを切らしてギコが懐から取り出した井上和香の写真集を見ると、ようやくジョルジュは大人しくなった。
きょにゅー!きょぬー!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
( ⊂彡
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し⌒J
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:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 20:10:32.61 ID:lJwpJ6NmO
ミ* ゚Д゚彡「俺の友達なんだ、大目に見てやって欲しいんだわ。女子のおっぱいには目が無いが、いい奴なんだよ」
( ^ω^)「これ、何だお…」
ξ゚听)ξ「見た事もない生き物だわ」
ミ* ゚Д゚彡「そりゃそうさ。トニー様に作って貰ったんだからね」
Σ( ^ω^)ξ゚听)ξ「トニー様に…?!」
ξ゚听)ξ「あ、貴方トニー=ブラウンに会った事があるの?!」
ミ* ゚Д゚彡「トニー=ブラウン“様”が抜けてんぞゴルァ」
(;^ω^)「す、すみませんだお。僕たちもトニー様に会いに行く途中なんですお。よかったらお話を聞かせて欲しいですお」
( ゚∀゚)「黙れ!白豚!」
( ^ω^)「ちょwwwwww」
18
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 20:18:58.83 ID:lJwpJ6NmO
ミ* ゚Д゚彡「ああ、やっぱりそうか。ハレルジャに行く道はここしかないし、トニー様が来るまではほとんど人なんか通らない田舎道だったからな。
いいぜ、話してやるよ」
( ^ω^)ξ゚听)ξ「wktk」
ミ* ゚Д゚彡「俺んちは代々林の中に住む事を義務付けられた樵でな。
当然嫁に来たがる女なんていねぇし、人付合いも作った薪や木工細工を売りにハレルジャに売りに行くくらいなもんだ」
( ゚∀゚)「引きこもり!引きこもり!」
ミ* ゚Д゚彡「正直あれだな、友達が欲しかったんだ。父ちゃんかあちゃんは早くに氏んじまっていねぇし、…いつも側にいてくれる友達が欲しかった」
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:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 20:25:28.50 ID:lJwpJ6NmO
( ;ω;)ウッ
ミ;゚Д゚彡「な、なんだどうした?」
ξ゚听)ξ「うちの旦那そう言う話に弱いの。続けて続けて」
ミ* ゚Д゚彡「お、おう…。で、まぁ…友達欲しいなぁと思って日々を過ごしてたんだが。
そうこうしてる内に村にトニー様が現れた。俺はまぁ、からかってやるつもりで会いに行ったのさ。
自分の作った木彫りの人形を持って、『これを生き物に変えてみせろ』って無茶な願いごとと一緒にな」
( ^ω^)「ま、まさかその木彫りの人形ってのは…」
おっぱい!おっぱい!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
⊂彡
ミ* ゚Д゚彡「そう。こいつの事さ」
20
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 20:32:28.34 ID:lJwpJ6NmO
ξ゚听)ξ「信じられない…」
( ^ω^)「ホントだお。何でこんな不細工なの持って行くんだお。美少女フィギュアでも持って行けば良かったんだお」
ミ* ゚Д゚彡「ジョルジュを悪く言うな。俺には大切な友達なんだ」
( ^ω^)「・・・確かに本当っぽいお。嘘つく人には見えないお」
ξ゚听)ξ「じゃあ、じゃあ、トニー様にはやっぱり期待してていいのね?」
ミ* ゚Д゚彡「そりゃ、あの方は万能の神様だからな。お前さんらの願いが何だか知らないが、叶えてくださると思うよ」
( *^ω^)「ツン、よかったお!」
ξ*゚听)ξ「うん…この子もきっと喜んでるわ」
21
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 20:39:28.59 ID:lJwpJ6NmO
少しだけ膨らんだ腹をやさしく撫でるツンを見て、ギコがニヤニヤと夫婦を見比べた。
ミ* ゚Д゚彡「ははぁ…さてはお前さんたち、おめでたなんだな」
ξ////)ξゲシッ
(;^ω^)「ちょwwなんで僕を蹴るんだおwww」
ミ* ゚Д゚彡「それじゃ、俺は仕事が残っているしそろそろ行くよ。ハレルジャには後30分も真っすぐ歩けば着くだろうさ。
お二人さん、お幸せにな」
( ^ω^)「どうもありがとうございますだお」
ξ゚听)ξ「た、助かったとか思ってないんだからね!」
ミ* ゚Д゚彡「気が強そうな嫁さんだなぁwほらジョルジュ、行くべ!」
おっぱい!おっぱい!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
( ⊂彡
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し⌒J
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:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/03/25(土) 20:45:24.53 ID:lJwpJ6NmO
ギコとジョルジュが並んで林に戻っていくのを見送って、二人は顔を見合わせた。
( ^ω^)「行こうかお」
ξ゚听)ξ「ええ!」
期待感から自然と明るい表情になるのを止められない。
空は青くて空気はおいしい。白い雲も浮かんでる。遠くからはほら、牛の鳴き声が。
贈り物の詰まった荷物を持って、再び二人は歩き始めた。
神様に会うために。
【第一部終わり】
第2部
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