27
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/21(火)
22:39:41.27 ID:cm0wsago0
僕たちはしばらくしてから、また推理の材料になりそうなことを話し合った。
結局、僕たちにはこれ以外やることがないのだ。
”打ち合わせ”として呼び出された僕たちは、娯楽の類のものを持ってきていなかったし
荒巻先生からの言いつけがあるので、携帯電話でネットやメールをすることもできないのだ。
( ゚∀゚)「うーん、やっぱり新しく事件でもおきてくれなきゃ、推理の進展も無さそうだな」
(*‘ω‘ *)「それもなんだか複雑ぽっぽ」
ちんぽっぽはそう肩を落とした。確かに、これが現実ならもう殺人なんて起きて欲しくないと思うのが普通だ。
('A`)「……そういや、今回の事件って”動機”はどうなっているんだろうな」
ξ゚听)ξ「……考えたこと無かったわね」
(´・ω・`)「普通は一番最初に考えることだろうね」
ショボーンも、僕と同じくその疑問は持っていたらしい。
そしてその話題を出さなかったのも、僕と同じ理由だった。
(´・ω・`)「でも、それは個人のプライバシーに踏み込まないと話し合えないだろう?」
30
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/21(火)
22:41:44.03 ID:cm0wsago0
荒巻先生の手紙によれば、僕らの演じる7人の役者の関係は”現実どおり”。
つまり、この事件の動機について話し合うなら、それは現実においての人間関係などを話し合うことになるのだ。
('A`)「それもそうだな……。でも、動機について一切話し合わないのは不自然じゃないか?」
( ^ω^)「でも、動機って言ったら、クーさんが死んで利益のある人や、恨みを持っていた人とか、そういうことを探ることになるんだお」
( ^ω^)「現実ではクーさんは生きてるお。だから、そういうこと話し合うのはどうかと思うお」
ドクオの言うことは最もだ。
でも、僕はやっぱりそれをためらってしまう。
(*‘ω‘ *)「でもドックンの言うとおり、話し合わないのも不自然だと思うよー」
(´・ω・`)「それは僕もわかっているさ、最初に言った通りね」
ξ゚听)ξ「でもやっぱり、こういうことは話し合うべきじゃないと思うわ」
( ゚∀゚)「難しいところだな」
うーん、と誰かが唸った。
僕を含め、6人全員がわかっているのだ。話し合うべきではないが、話し合う必要があると言うことが。
32
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/21(火)
22:43:26.11 ID:cm0wsago0
ξ゚听)ξ「……クーちゃんは生きてるんだから、やっぱりやめるべきだと思うわ」
ξ゚听)ξ「”話し合い”なら、今話したってことで、いいんじゃない?」
ツンの言葉に、しばらくの間をおいてから全員がうなずいた。
('A`)「……そうだな。話して犯人がわかるわけでもないだろうし」
(*‘ω‘ *)「そうだねー犯人は荒川先生が決めたんだしねー」
( ゚∀゚)「おう」
僕らはそれで、話し合いをやめた。
もちろん、動機について話し合う事が無益だとは思えない。
それでも、クーさんは生きているんだから、やっぱり話し合うべきとは思えなかった。
33
: ◆bsKbvbM/2c :2006/03/21(火)
22:45:05.29 ID:cm0wsago0
それから僕、ツン、ジョルジュで夕食を作ることになり、ミート・スパゲティをつくった。
並べられた6つの皿から無造作に3皿を選び、まずは食事当番の3人が食べ、それから全員の食事が始まった。
これを提案したのは僕だ。
朝食時にツンが言った、食事に毒が混入されている可能性を打ち消すためだ。
といっても、みんなゲーム感覚で楽しんでいた。
(´・ω・`)「なんだか食べてばかりだな」
( ^ω^)「他にやることも無いお。仕方ないお」
(*‘ω‘ *)「帰ったらダイエットしなきゃなー」
('A`)「いつまでこんなことが続くんだろうな」
( ゚∀゚)「そりゃ、明後日までだろうな」
夕食時の会話はそんなもので、あとは雑談を交える程度でみんな黙々と食べ終えた。
34
:ξ゚听)ξ ◆bsKbvbM/2c :2006/03/21(火)
22:48:56.40 ID:cm0wsago0
――浴室。
夕食が終わってすぐのことだ。私はすることも無いので、ぽっぽちゃんとお風呂にすることにした。
私たちは体を洗い流してから、家族風呂を豪華にしたような浴槽に浸かりながら、いなくなったクーちゃんのことを話していた。
(*‘ω‘ *)「でも、クーちゃん本当になにも持ってかなかったみたいだねー」
ξ゚听)ξ「私も荷物を見てみたけど、いつも持ってたお守りも荷物の中だったわ」
(*‘ω‘ *)「なんか、本当に死んじゃったみたいだねー」
私は何も答えられなかった。
私も、そんな予感がしていたからだ。でもそんな筈はないし、肯定してしまえば、それが現実になるような気がしたからだ。
ぽっぽちゃんは何も言わない私を気にしたらしく、いつもの無邪気な顔でこんなことを言った。
(*‘ω‘ *)「クーちゃん、どこ行っちゃったんだろうねー」
ξ゚听)ξ「ここから遠くないペンションかホテルにいるだろうって内藤が言ってたけど」
35
:ξ゚听)ξ ◆bsKbvbM/2c :2006/03/21(火)
22:50:13.48 ID:cm0wsago0
(*‘ω‘ *)「内藤くん、いい人だよね。クーちゃんと会ったのはオーディションの時と昨日だけのはずなのに」
(*‘ω‘ *)「ドックンよりクーちゃんを気遣ってくれてるし」
ξ゚听)ξ「そうね……」
クーちゃんのあるはずも無い遺体を部屋に寝かせてあげようと提案したのは、内藤だった。
それに、クーちゃんが殺された動機の話し合いはやめようとも、内藤は言ってくれた。
(*‘ω‘ *)「内藤くん、ツンちゃんのこと気に入ってるみたいだね」
ばしゃっ!
ぽっぽちゃんの言葉に、私は思わず浴槽の床に足を滑らせた。
顔までお湯に浸かってしまい、あわてて体勢を立て直す。
36
:ξ゚听)ξ ◆bsKbvbM/2c :2006/03/21(火)
22:50:48.36 ID:cm0wsago0
ξ;゚听)ξ「ぽ、ぽっぽちゃん、何言ってるのよ」
(*‘ω‘ *)「えーあたしはそうだと思うけどなー女の勘ってやつぽっぽ」
ぽっぽちゃんはにやりと笑って言った。
(*‘ω‘ *)「ツンちゃんも、内藤くんのこと気になってるんじゃないの?」
びしゃ!
私は思わずぽっぽちゃんの顔にお湯をかけてしまった。
ξ////)ξ「わ、私さきにあがってるね!!」
叫ぶようにそう言って、私は急いでお湯から上がると脱衣所へと急いだ。
途中、濡れた床に足を取られそうになってしまったが、私は足を止めなかった。
(*‘ω‘ *)「ツンちゃんも素直じゃないなぁー」